腎臓病SDM推進協会について

腎代替療法(RRT)を必要とする末期腎不全に進行した際、患者、家族は難しい選択を迫られます。 RRTのいずれを選択するか、あるいは非透析支持療法を選択するかは、患者の人生を大きく左右するものであり、患者、医療者の十分な話し合いと理解が必要です。

複数の選択肢があり、どれが患者にとって最善かが明確でない場合に、患者が十分に治療法について理解し、患者の価値観・意向を尊重した選択ができるようにするための取り組みは、Shared Decision Making (SDM)と呼ばれ、海外ではRRT選択のSDMを支援する様々なツールや教材も開発されています。

一方、わが国ではRRT選択にあたって、SDMが十分に理解され、普及しているとは言えません。 しかし、高齢の慢性腎臓病患者が増加している今日、患者にとって最善の選択をすすめるには、腎臓病診療におけるSDMの普及が重要となっています。 そこで、RRT選択にあたってのSDMに関する理解を深め、患者診療を支援するための母体として「腎臓病SDM推進協会」を発足致しました。

誰もがSDMについて自信をもって話せるよう、理論的なよりどころとなる国内外の経験、教材、情報をまとめるとともに、診療現場で活用できるツール等を共有することで、関連する各学会の活動を補完し、現場の診療を支援する役割を果たすことができればと考えております。腎臓病診療におけるSDMの普及に向けて、皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2017年11月
腎臓病SDM推進協会 代表
小松康宏